入試科目は共通テスト・2次試験(個別学力検査)とも大学により異なります。主な傾向をみていきましょう。

 2020年度入試では、多くの国公立大学がセンター試験で7科目を課していました。国公立大学だけに絞ると、7科目以上を課すのは86%にのぼりました(一部の学科のみの実施を含みます)。センター試験から共通テストに変わる2021年度入試からも、この傾向は変わりません。そのうえ、共通テストへの移行にともない、これまで少数科目を課していた大学が教科・科目数を増やすケースもみられます。

 なお、この7科目以上の構成も大学により異なりますが、大別すると次の3つのパターンに分けられます(理科①は2科目セットで1科目とカウントします)。

 

   (文 型)外・国・地公2必須、数・理から3(数2必須パターンを含む)

   (理 型)外・数2・国・理2・地公

   (選択型)外・国必須、数・理・地公から5(数2必須パターンを含む)

 

 学部系統別に教科パターンをみていくと、文系学部では地歴公民2科目が必須の文型、理系学部では理科2科目が必須の理型が一般的となっています。

 国公立大学でも少数派ながら少ない教科・科目数で受験できる大学はあります。しかし、受験科目を絞れば負担が減るかわりに、志望校の選択幅がぐっと狭まります。国公立大学志望者は5教科7科目に対応した学習を基本と考えたいものです。

 

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 2次試験の入試科目も共通テスト同様に大学によって異なります。また、同じ学科でも日程により異なるケースがほとんどです。

 前期日程の入試科目は、一般的には文系学部で「外国語、数学、国語、地歴・公民」から2~3教科、理系学部では「外国語、数学、理科」から2~3教科が課されます。ただし、東京大学、一橋大学、名古屋大学、京都大学、九州大学など一部の難関大学では4教科を課す学部・学科もあります。

 一方、後期日程では前期日程に比べ教科を1~2教科に減らすケースや、総合問題、小論文や面接などを課すところも多くなっています。なかには、2次試験を行わず共通テストの得点のみで合否を決定する大学もあります。

 配点についても共通テスト、2次試験ともに大学ごとに設定されています。よくみられるのは専攻する学問に関連する教科の配点を高くするパターンで、例えば理系学部では数学や理科の配点が高くなっているケースが目立ちます。また、共通テストと2次試験の配点比率も大学によってかなりの差があるので注意が必要です。

 

 

 ●国公立大学 入試配点比率の例 ※表中の科目・配点はいずれも2021年度入試のもの

 入試科目や重視される科目によって、必要となる受験対策も変わってきます。志望校の入試科目や配点、センター試験と2次試験の配点比率などはきちんと押さえておきたいものです。各大学の入試科目・配点は、入試前年の7月に「入学者選抜実施要項」として発表されます。また、入試科目などが大きく変更となる場合は、これより早くホームページ等で公表されています。気になる大学は早めにチェックをしておきましょう。

 

 

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Kei-Netより