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大学進学にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?必要となる費用やその負担を減らす奨学金の制度について早めに知っておきましょう。

 

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 大学の受験料は、国公立大学の2次試験はほとんどの大学で1万7,000円、私立大学の一般方式は約3万5,000円となっています。たとえば、国公立大学2校(前・後期)と私立大学2校を受験すると、受験料だけで約10万円を超えてしまいます。さらに遠方の大学の受験する場合には、交通費や宿泊費も必要になってきます。

 このように受験費用は短期間に結構な出費となるのです。

 

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 入学決定後に大学へ支払う費用は、いくつかの種類に分かれています。入学時に支払う「入学金」、年間の「授業料」のほか、「施設設備費」「実験実習費」といった施設使用や実験・実習に伴う費用があります。このほか、「後援会費」「学会費」「保険料」などの名目で任意に徴収されるものもあります。

 

国立大学でかかる費用
   授業料 入学金 合計
昼間部 535,800円 282,000円 817,800円
夜間部 267,900円 141,000円 408,900円

※上記は文部科学省令で定める「標準額」

※このほか大学により設備費・実習費・保険料等が必要な場合がある

 

私立大学でかかる費用
   授業料 入学金 施設設備費 実験実習費 その他 合計
文科系 文・教育 794,063円 229,762円 161,039円 11,945円 89,026円 1,285,834円
神・仏教 730,658円 216,270円 158,598円 3,481円 45,243円 1,154,249円
社会福祉 748,868円 211,407円 177,973円 8,883円 75,117円 1,222,248円
法・経・商 782,656円 231,632円 142,457円 7,159円 65,263円 1,229,168円
平均 785,581円 229,997円 151,344円 9,112円 75,005円 1,251,039円
理科系 理・工 1,076,373円 242,365円 162,527円 57,256円 62,341円 1,600,861円
1,428,539円 339,127円 308,949円 31,198円 67,222円 2,175,036円
農・獣医 964,389円 246,247円 207,723円 134,411円 57,522円 1,590,292円
平均 1,105,616円 254,309円 185,038円 62,862円 60,121円 1,667,945円
医療系 2,666,458円 1,340,552円 1,063,310円 309,860円 1,636,910円 7,015,089円
3,225,206円 598,303円 558,798円 2,391円 959,137円 5,343,835円
平均 2,867,802円 1,073,083円 881,509円 199,063円 1,391,396円 6,412,854円
その他 家政 811,588円 247,072円 197,161円 49,161円 99,851円 1,404,834円
芸術 1,125,580円 252,996円 272,162円 40,325円 88,990円 1,780,054円
体育 814,517円 250,854円 220,590円 44,662円 89,881円 1,420,505円
保健 988,179円 268,336円 238,367円 114,375円 84,880円 1,694,138円
平均 958,445円 258,747円 234,644円 77,485円 89,359円 1,618,681円
全平均 904,146円 249,985円 181,902円 34,412円 90,331円 1,460,776円

※上記は2018年度私立大学初年度学生納付金平均額、文部科学省資料より

※金額は昼間部1人当たりの額。一円未満を四捨五入しているため、合計金額が一致しない場合がある

※医学部看護学部は「医」区分に含まず、「保健」区分に含める

 

 

 表をみても分かるように、大学入学後にかかる費用は、国公立大学と私立大学で大きな差があります。国立大学では法人化後、文部科学省が定める「標準額」に沿って、決められた上限を超えない範囲で各大学が独自に入学金・授業料を決めることができるようになりました。2019年度には東京芸術大学、東京工業大学が教育体制の充実などの目的で授業料を値上げし、2020年度には千葉大学、東京医科歯科大学、一橋大学が同様に授業料を値上げしました。今後も、国立大学で授業料を値上げする可能性がありますが、現時点では多くの国立大学では文部科学省の定める「標準額」となっています。

 公立大学の授業料も国立大学の「標準額」に沿った大学が多くなっています。特徴があるのは入学金で、大学が設置されている都道府県内(または市内)出身者は割安となるように設定されている大学がほとんどです。

 国公立大学の場合、入学金・授業料にほとんど差はありませんが、その他の「施設設備費」「実験実習費」などを含めた諸会費の徴収の有無については差があります。

 私立大学の初年度納付金の平均額は150万円弱となっています。ただし、私立大学の場合は「神・仏教」学系の約115万円から「医」学系の約700万円まで、学部系統によって金額にかなり差があります。実験や実習が比較的少なく、施設・設備費がかからない文系学部は安く、医学部や芸術系学部など高額な設備が必要な学部系統ほど学費やその他諸費は高くなっています。

 なお、学費の決定に際し、消費者物価指数に応じて額を変動させる「スライド制」を採っている大学も多く、こうした大学では、在学中に授業料が変動する可能性があります。

 

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 大学での生活費は、自宅から通える大学に行くか、親元から離れて大学生活を送るかによって大きく変わってきます。

 

 

1ヶ月の生活費
項目 自宅生 自宅外生
収入 仕送り・お小遣い 9,300円 63,800円
奨学金 5,600円 18,500円
アルバイト 39,400円 33,300円
定職・その他 700円 1,600円
収入合計 55,000円 117,200円
支出 食費・外食費 13,100円 27,800円
住居費 100円 48,500円
交通費 4,400円 3,500円
娯楽費(嗜好品代・レジャー・交際費など) 10,500円 9,500円
書籍費 2,200円 2,800円
勉学費 1,200円 1,000円
日常費(生活用品代・衣料品代など) 3,700円 5,400円
通信費(携帯電話・インターネット通信費含む) 1,200円 3,400円
その他(貯蓄・繰越を含む) 10,200円 8,700円
支出合計 46,600円 110,600円

※2019年度Kei-Net特派員アンケートより

※金額は平均額で、10円単位で四捨五入

 

 表は、大学生の1ヶ月の生活費をまとめたものです。自宅外生(一人暮らし)の仕送り額は月々約6万4千円、また支出は月々約11万円となっています。

 以前減少傾向にあった仕送り額は近年下げ止まりとなっていますが、多くの人が奨学金やアルバイトなどで収入を補っています。

 

Kei-Netより

 

 

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