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 「学校推薦型選抜(推薦入試)」は一般選抜に次ぐ規模の選抜方式で、国公立大学では全体の9割以上の大学が実施しています。近年は、東京大学や京都大学などの難関国公立大学でも推薦型の入試が導入されるなど、広がりをみせています。

 一般選抜との一番大きな違いは、出身高校長の推薦を受けないと出願できない、という点です。出願にあたっては、「調査書の学習成績の状況〇以上」「〇浪まで」といった出願条件が設定されている場合もあり、誰もが出願できる入試というわけではありません。

 学校推薦型選抜は、様々なタイプの選抜がありますが、大きく分けて「公募制」と「指定校制」の2タイプに分かれます。「公募制」は、大学の出願条件をクリアし、出身高校長の推薦があれば受験できる選抜です。一方の「指定校制」は大学が指定した高校の生徒を対象とする選抜ですが、私立大学が中心となっており、国公立大学ではほとんど行われていません。また、一般選抜とは違い多くの大学では、「出願者は、合格した場合は必ず入学する者に限る」専願制の入試となっています(近年、他大学との併願が可能な併願制も増えてきています)。学校推薦型選抜を考える場合は、出願するうえで制約があることと、原則第1志望校に限った入試であることを理解しておきましょう。

 

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 国公立大学の学校推薦型選抜は、私立大学に比べて募集人員が少なく、出願条件のうち「学習成績の状況4.0以上」など厳しい成績基準を設けている大学があるほか、1高校からの推薦人数が制限される場合は、出願前に学内で選抜が行われるケースも少なくありません。また、国公立大学の場合は、共通テストを課す場合と課さない場合の2タイプに大別され、その入試日程も大きく異なります。

 大学での試験は様々ですが、2021年度入試からは、小論文など受験者自らの考えに基づき論を立てて記述させる評価方法のほか、プレゼンテーション、口頭試問、実技、教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績、共通テストなど、学力を確認する評価を実施することが必須となります。すでに「面接」「小論文」を課す大学は多く、口頭試問を含んだ面接や学科に関連した専門的知識を要する小論文が課されることもあります。

 

コラム~国公立大学の医学科に多い「地域枠」推薦  
国公立大学の医学科でも多くの大学で学校推薦型選抜が行われます。なかでも特徴的なのが、出身地域や卒業後の勤務地等に制限を設ける「地域枠」の学校推薦型選抜で、全50大学のうち39大学で実施されています(2020年度入試)。

 地域によっては医師不足が深刻となっており、将来地元に残って活躍する医師の育成が地域の課題となっているからです。そのため、地域枠で合格・入学すると、卒業後に特定の地域で医師として働くことを条件に奨学金が受給できるといった例も少なくありません。

 

Kei-Netより